2017年09月20日

今年の歌です!

『いつぞやの』

いつぞやの打ち消す声は亡き父か否もひとりのわれかも知れず

寝たきりの言語を起こせ如月の古びた杵が毛羽だつてゐる

花の枝たおらばいつも膝あたり訃報のごとき痛みありけり

さかむけの爪ぞ愛しき蝶の夢わが夢とほぼほぼに等しき

たはむれのあながち4月1日のほら大惨事世界大戦

台風の後の青ぞら敗戦のあの日の空とどこか似てゐる

朝咲くや朝鮮らしき朝顔の茎切りすてよ平和のために

「し」と打たば「死」と変へらるる暁の電子の辞書に宿るたましひ

簡単で便利なものが世の中をどんどんダメにダメにしてゆく

邯鄲の聲なつかしき夕暮れに刹那おのれの寝首掻きたし


scorpina at 19:26│Comments(0)

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