2016年08月30日
昨年の歌
亡き友よ
ひさかたの光を反す櫻ばな知覽ちらむよ散るほかはなき
隣國の卯月感じぬ明日からは囚はれの身に喜びのみを
隣組となりはダアレ帝都には孤独な群衆しかゐないよ
わが歌をわがうたを聽け亡き友よ甘きギターの音色なけれど
京のまち国際化して知らぬ間に横文字の表札の家家
友すべて死にたるのちの十五夜よ「じふご」と聞かば銃後と思ふ
やり水に向ひひと筆秋の聲御空へ運ぶ風のひと群
風喰らふ最後のひと葉見つからず目を瞑る片肺の老人
瞼なき魚の涙 友が友あやむるときのキナ臭き風
雪の華散らす北風こころざしせめて一輪冬ひらくべし
scorpina at 14:55│Comments(0)│TrackBack(0)│