2011年04月

2011年04月30日

曲水の宴 2011.4.29 参宴

歌題 「竹不改色」 たけ いろをあらためず

長治2年(1105年)3月5日の清涼殿和歌管弦御会での歌題とされたもの。

 今年は東日本大震災が起こったため、上賀茂神社での賀茂曲水の宴は
中止されたらしい。
でも、曲水はイヴェントじゃなく、神事ですからぜひともやるべきです。
歌を神に奉げて、叶うなら神からの感応を得る。



生かされてある身と知らば さつきまつ花石楠花(しゃくなげ)は一面に咲く    信行

 竹を詠み込めばよかったのですが、陳腐な内容しか思いつかず、
え〜い、歌題の主旨を生かせばよいかと竹を無視して詠みました。
宮司さん、すんません。

さつきまつは、言わずと知れた古今和歌集よみ人しらずの本歌
取りっぽくしてみました。

゛さつきまつ花たちばなの香をかげば 昔の人の袖の香ぞする゛

古今和歌集139に〈よみ人しらず〉で載っている歌です。
しゃくなげの花の漢字に橘(たちばな)と似た楠(くす)の字が
入っているのが、自分としては面白くって。
本歌取りならぬビジュアル取り!





幸いにもこの世に生を受け、現在生きているということは、
実は神に生かされていることなのではないか?

この世に必要な存在として神から生かされている、もし、
そういう思いを感得できたならば、われわれ一人ひとりが
もっと世のため他人のために尽くさなければならないだろう。


5月になれば、しゃくなげの花(福島県の県花)もまた、
一面に咲くだろう。自然の力(神の意志)は普遍である。

人々は、しゃくなげの花の淡い色香に、ありし日の美しい
町並みを思い出し、再興の決意を新たにすることだろう。


SN3R0036



scorpina at 17:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0)