2022年09月20日
送り仮名について
来るは「きたる」とも「くる」とも読めるので、どう対応するか、ということから、新聞の校正では、「来たる」と送り仮名をふるのがいいのではないかといった議論がある。塚本邦雄や丸谷才一は、極力送り仮名は省くという考え方であった。以前にも書いたが、「行なう」では「おこななう」だと。
語尾変化しない部分は、送り仮名をふらない。
この点で今回の短歌研究社の文庫版塚本邦雄全集の第七巻には、間違った校訂がある。
海往かばかばかば夜の獣園に大臣の貌の河馬が浮かばば 「黒南風嬉遊曲」
塚本邦雄は5句目「浮ばば」とゆまに書房の全集では表記したが、これは上記の考え方の当然の帰結である。語尾変化しない部分を送り仮名しないことは当然だからである。
ただ、ネオサンボリスムの立場からは、上記承知の上で、ビジュアル的に、ここは「浮かば」とすべきであろう。あっあかねさす召集令状もしかり。
語尾変化しない部分は、送り仮名をふらない。
この点で今回の短歌研究社の文庫版塚本邦雄全集の第七巻には、間違った校訂がある。
海往かばかばかば夜の獣園に大臣の貌の河馬が浮かばば 「黒南風嬉遊曲」
塚本邦雄は5句目「浮ばば」とゆまに書房の全集では表記したが、これは上記の考え方の当然の帰結である。語尾変化しない部分を送り仮名しないことは当然だからである。
ただ、ネオサンボリスムの立場からは、上記承知の上で、ビジュアル的に、ここは「浮かば」とすべきであろう。あっあかねさす召集令状もしかり。
scorpina at 22:01|Permalink│Comments(0)│
2022年09月07日
2022年06月21日
2022年01月02日
塚本からもらったもの:その1
確か2015年頃か、テレホンカードをもらいました。
多分、この頃の玲瓏諸氏は皆さんお持ちかと存じます。
フランチェスコ・デル・コッサの4月「ヴィーナスの凱旋」です。
多分、この頃の玲瓏諸氏は皆さんお持ちかと存じます。
フランチェスコ・デル・コッサの4月「ヴィーナスの凱旋」です。
scorpina at 17:59|Permalink│Comments(0)│
2021年12月14日
塚本から学んだこと:その4
基本的な事ばかりで申し訳ありませんが、動詞の送り仮名にも厳しい先生でしたね。塚本邦雄は。
例えば、「おこなう」は国語辞典を見ると「行う」でも「行なう」でもどちらでもいいように書かれています。塚本は「行う」と書きました。これはどうしてかと言いますと語尾変化しない部分は語幹ととらえているわけです。「行なう」だと「おこななう」だと言っていました。
「ご確認」の「ご」ですが、他人に対する行為を表す語に付いて、その行為の及ぶ相手に対する敬意を表すもので、接頭語で、当然漢語のはずですが、なぜかひらがなで書くことが多いですね。柔らかさを出していると言えば言えなくもないですが、やはり漢語です。
scorpina at 18:56|Permalink│Comments(0)│
2021年09月30日
2021年09月20日
塚本から学んだこと:その3
見る、視る、観る、や、会う、合う、遭う、逢う、遇う、など同じ音でも意味が違うということを塚本は注意してました。ちゃんと使い分けはしないとね。
例えば、テレビをみるときは、視る、です。watch TV
聞くと聴くの使い分けとか。hear と listen の違いですね。
それと、お願い、お訊ね、などの「お」は漢字で書くようにと言われてました。
御芳名の御は、様様扱いになり要らないとか。
とにかく漢字の使い方には気を使われていました。
例えば、テレビをみるときは、視る、です。watch TV
聞くと聴くの使い分けとか。hear と listen の違いですね。
それと、お願い、お訊ね、などの「お」は漢字で書くようにと言われてました。
御芳名の御は、様様扱いになり要らないとか。
とにかく漢字の使い方には気を使われていました。
scorpina at 13:35|Permalink│Comments(0)│
2021年08月21日
塚本から学んだこと:その2
基本的なことですが、2回目は送り仮名について
辞書によると「おこなう」は「行う」とも「行なう」とも両方書いてありますが、どうなんでしょう?
私が玲瓏に在籍していた最後の頃に夜鶯の会で塚本から聞いたところ、「行う」と送るべきだといっておられました。
「行なう」では「おこななう」だと。送り仮名にすべき部分は語尾変化する部分のみ。変化しない部分は語幹だと。
なるほど、と思いました。
辞書によると「おこなう」は「行う」とも「行なう」とも両方書いてありますが、どうなんでしょう?
私が玲瓏に在籍していた最後の頃に夜鶯の会で塚本から聞いたところ、「行う」と送るべきだといっておられました。
「行なう」では「おこななう」だと。送り仮名にすべき部分は語尾変化する部分のみ。変化しない部分は語幹だと。
なるほど、と思いました。
scorpina at 10:13|Permalink│Comments(0)│
2021年08月15日
塚本から学んだこと:その1
些細なことですが、大事なことですので、1回目の内容とします。
例えば、歌の中に「夜」という漢字が使われていた場合、「よる」と読むのか「よ」と読むのか、どちらでも読める場合があります。この場合は、必ずルビをふれ、というのが塚本の教えです。
読者に読んでいただくのだから当たり前とのことでした。
自作でもそうしている、と言われていました。
ありましたかね?不肖の弟子なので塚本の歌にルビふってあるのって存じませんわ。
例えば、歌の中に「夜」という漢字が使われていた場合、「よる」と読むのか「よ」と読むのか、どちらでも読める場合があります。この場合は、必ずルビをふれ、というのが塚本の教えです。
読者に読んでいただくのだから当たり前とのことでした。
自作でもそうしている、と言われていました。
ありましたかね?不肖の弟子なので塚本の歌にルビふってあるのって存じませんわ。
scorpina at 18:59|Permalink│Comments(0)│
2020年10月04日
京都歌人協会年間歌集2020出詠
仕事、忙しくしておりまして、短歌になかなかじっくり取り組めません。
今年は、塚本の生誕100年ということもあり、自分の記念として角川短歌に応募してみましたが、
ダメでした。作品の出来が自己採点でも60点というところです。
まぁ、仕方ない。
とりあえず、京都歌人協会の年間歌集への出詠作品を公表いたします。
『千年しらず』
●冬ぞらの片隅青く光りたるそこわづかに触れなば昴
●この先は現代語訳『坊っちゃん』を読まねばならず一億足らず
●人は他人(ひと)なしではあらず近頃は「さやうならば」と言ふ接続詞
●ともすれば寝釈迦の寝顔晩餐の横向くイエスに見えなくはない
●見あぐれば棹石ならぶまちなみを憂ふ涙の数だけビル
●すでにして秘孔衝かれしコミュニストひとは理性の道具にあらず
●縫い綴じる針糸なけり日の丸はいたるところが穴あきだらけ
●みつむれば迷ひとまどふ内の世へナポレオンてふ名をもつ魚(さかな)
●この土へ還られぬなら願はくは海へと放て文月今宵
●必ずや生まれ変はらむのちの世に千年のちの京の町家に
今年は、塚本の生誕100年ということもあり、自分の記念として角川短歌に応募してみましたが、
ダメでした。作品の出来が自己採点でも60点というところです。
まぁ、仕方ない。
とりあえず、京都歌人協会の年間歌集への出詠作品を公表いたします。
『千年しらず』
●冬ぞらの片隅青く光りたるそこわづかに触れなば昴
●この先は現代語訳『坊っちゃん』を読まねばならず一億足らず
●人は他人(ひと)なしではあらず近頃は「さやうならば」と言ふ接続詞
●ともすれば寝釈迦の寝顔晩餐の横向くイエスに見えなくはない
●見あぐれば棹石ならぶまちなみを憂ふ涙の数だけビル
●すでにして秘孔衝かれしコミュニストひとは理性の道具にあらず
●縫い綴じる針糸なけり日の丸はいたるところが穴あきだらけ
●みつむれば迷ひとまどふ内の世へナポレオンてふ名をもつ魚(さかな)
●この土へ還られぬなら願はくは海へと放て文月今宵
●必ずや生まれ変はらむのちの世に千年のちの京の町家に
scorpina at 17:49|Permalink│Comments(0)│